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むくみ(浮腫)の9個の原因&今すぐむくみを改善する方法

むくみ(浮腫)の原因・メカニズム・改善する方法など、むくみに関するあらゆることを図解します。

むくみのメカニズム自体は簡単ですが、むくみを引き起こす原因は様々なものがあり、むくみを根本的に解消するためには自分のむくみの原因を把握して対策しないといけません。

また、むくみは重い病気のシグナルである場合もあります。

この記事を読んでもらえると、むくみに関することは大体理解してもらえると思うので、是非最後まで読んでください。

“むくみ”とは?

むくみは簡単に言うと、脂肪以外の原因で特定の部位が太くなる症状です。

「朝起きると顔がパンパンに膨れている」
「夕方になると下半身が太くなる」

というのが代表的な例。
全身のあらゆる部位で生じます。

ではこのむくみの正体とは一体何なのか?

それは“水分”です。

脂肪の場合はエネルギーとして蓄えられるので、
カロリー収支(7200Kcal=1Kgの体脂肪)によって増減します。

それに対し水分の場合は、
カロリーに関係なく1日の内に2L以上体内を出入りしています。

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脂肪は増やすのも減らすのも大変で一朝一夕で変化しませんが、
体内の水分は簡単に増減するのです。

むくみは簡単に生じますが、解消するのも簡単で時間もかからないということです。

ちなみに、勘違いする人は多いですが、
セルライト』はむくみとは完全に別物です。

むくみが水分なのに対し、セルライトは皮下脂肪です。
正確には皮下脂肪が肥大化したもの

1日に何Lも体を出入りしている水分とは違い、
1ヶ月で1Kg落とすのがやっとな脂肪です。

むくみとは異なりマッサージや短時間の運動などで簡単に落とすことはできません。

詳しくはこちらをご覧ください。

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むくみを引き起こす“水分”の正体

もう少しむくみを引き起こす水分の正体について見ていきましょう。

むくみを引き起こしている水分は、
細胞を満たしている“細胞間質液(または組織液)”という液体です。

細胞に栄養を運んだり、老廃物を排出したりする働きがあります。

間質液が増えることでむくみが生じるのですが、
そのメカニズムを見てみましょう。

通常の間質液の働きは以下の通り。

血管(動脈)から出て間質液となった液体は役目を終えた後、
血管(静脈)へ戻っていき、また一部はリンパ管から排出される。

ここで動脈からの間質液の量が増えたり排出される量が少なくなったりした時、間質液が多くなって“むくみ”が起こるのです。

むくみが起こる具体的な原因

では、むくみのより具体的な原因について説明していきます。

主に以下のものが挙げられます。

むくみの原因

  1. 重力の影響
  2. 長時間同じ姿勢でいる
  3. 筋肉の衰え
  4. 冷え
  5. 塩分の摂り過ぎ
  6. アルコールの摂取
  7. たんぱく質の不足
  8. 自律神経の乱れ
  9. 内臓疾患

【むくみの原因1】重力の影響

重力の影響

血液は心臓から動脈の中を送り出され、
器官・細胞で役目を終えれば心臓へ静脈を通って戻っていきます。

下半身の静脈の流れは重力に逆らう形になるため
流れが弱まりやすいのです。

間質液が滞りやすいため、むくみが生じます。

朝起きた時に足がむくんでいなくても、
午後に時間がたつに連れてむくんでくるのはこのためです。

逆に心臓よりも上の部位、特に顔の場合は、
朝が最もむくみやすく時間がたつに連れて治まっていきます。

【むくみの原因2】長時間同じ姿勢でいる

静脈の血液の流れやリンパの流れは、
筋肉の収縮のみがポンプとして働きます。(筋ポンプ作用)

一応、心臓のポンプ作用によって血液は送り出されますが、
静脈を通って心臓へ帰る血液は心臓のポンプ作用の影響が少ないのです。

しかし長時間同じ体勢でいると筋肉のポンプ作用が十分働かないため
間質液やリンパが滞りやすくなります。

特に前述した重力の影響を考慮すると、
下半身がむくみやすいのも理解できるでしょう。

デスクワークなどで長時間座ったままという人がむくみやすいのは、このためです。

【むくみの原因3】筋肉の衰え

筋肉の衰え

筋肉が減少すると筋ポンプ作用が弱まります。
それに伴いリンパや静脈の流れも弱くなるため、むくみやすくなります。

そのため、運動不足の人や高齢の人がむくみやすいのです。

特に下半身のリンパや静脈の流れを促すのに重要な筋肉が“ふくらはぎ”です。

下半身が頻繁にむくむと言う人はふくらはぎを鍛えるとよいでしょう。

【むくみの原因4】冷え

冷え

体が温まると血流が促進されますが、
逆に冷えると血行不良になり、これがむくみの原因となることもあります。

冷えは筋肉のパフォーマンスの低下にもつながるため、
筋ポンプ作用が弱まるのも理由の一つです。

【むくみの原因5】塩分の摂り過ぎ

塩分の摂り過ぎ

塩分を摂りすぎると水分を体に溜め込もうとし、
水分を十分排出できなかったり、喉の乾きという信号が現れます。

結果、体内の水分量の増加に伴い間質液の増加につながるのです。

ちなみに、塩分を取ると体内の水分量が増えるのは、
人体に“塩分濃度を一定に保つ性質”があるからです。

短期的な体重の増減にも繋がるため、
ボクシングの減量などの際には塩分は控えるのが望ましいとされています。

【むくみの原因6】アルコールの摂取

アルコールの摂取

「アルコールを摂取した次の日に顔がパンパンに腫れていた」

こんな経験がある人も珍しくないと思います。

実はアルコールもむくみを引き起こす原因となります。

アルコールは血管を拡張する性質があるため、
動脈から水分を通しやすくなり、間質液の量が増えるのです。

また、アルコールは脱水効果があり尿の量が増えますが、
水分を排出した後は喉が渇くため水分を摂取します。

しかし、体内の水分量を判断する機能が低下しているため、
必要以上に摂取してしまい水分過多となり、これがむくみの一因となります。

【むくみの原因7】たんぱく質の不足

摂取したタンパク質の一部は、
分解されて“アルブミン”という物質になります。

アルブミンは血管内の血液中に存在しており、
血液中のアルブミンの濃度が低いと浸透圧の影響で間質液が増加し、
むくみが生じます。

【むくみの原因8】自律神経の乱れ

むくみは自律神経の乱れも関係します。

自律神経とは

自律神経は交感神経”“副交感神経”から成ります。

  • 交感神経:興奮状態の時に働く
  • 副交感神経:リラックス状態の時に働く

このように二つは相反するものであり、
私たちの健康はこの二つのバランスによって維持されています。

自律神経の乱れは、睡眠不足やストレスなどによって引き起こされるのです。

自律神経

交感神経には血管を収縮させる性質があるため、
交感神経が弱ければ血管が拡張され動脈から水分を通しやすくなりむくみが起こります。

また交感神経が優位な場合が続くときも、
血管の収縮により血液やリンパの流れを悪化させるためむくみの原因になります。

【むくみの原因9】内臓疾患

内臓疾患

むくみは心臓、肝臓、腎臓など、
重要な内臓の疾患のシグナルとなることもあります。

むくみの原因となる内臓疾患

  • 心臓疾患:心不全になると心臓のポンプ機能が低下するため、血流が滞りむくみが生じやすくなる
  • 肝臓疾患:肝臓はアルブミンの生成を担っているため、肝臓の疾患によってアルブミンの量が減少することがある
  • 腎臓疾患:腎臓の疾患により尿として排出される水分が減るため、体液量が増加する

こういった疾患はむくみ以外の症状もあるはずなので、
特に思い当たることがなければそこまで心配することはありません。

ただし慢性的にむくみが生じ、なおかつ他の原因に心当たりが無い場合、
疾患の可能性も視野に入れたほうがよいでしょう。

今すぐむくみを解消する方法

むくみの原因について見ていきましたが、
続いてこれを解消する方法をご紹介します。

慢性的にむくみが生じる場合、
これを根本的に解決するには原因に応じた対策をする必要があります。

ですが、まずは対処療法的に即効性のある方法について見ていきましょう。

今すぐむくみを解消する方法

  • 足湯
  • 足を心臓よりも高い位置に固定する
  • とりあえず体(特に下半身)を動かす
  • リンパマッサージ
  • 蒸しタオルで顔を温める(顔のむくみの場合)

【即効性のあるむくみ解消法1】足湯

足湯

自宅で下半身のむくみをとる手っ取り早い方法が足湯です。

足を温めることや水圧の効果により、
血流やリンパの流れを良くすることができます。

【即効性のあるむくみ解消法2】足を心臓よりも高い位置に固定する

重力によって妨げられている静脈の血流を促進するために
寝転がったりして足を心臓より高い位置で固定します。

ただ、人目がある場所ではできないと思うので、
自宅にいるときだけしか使えないかもしれませんね。

【即効性のあるむくみ解消法3】とりあえず体(特に下半身)を動かす

体を動かすことで筋肉の収縮によるポンプ作用が働くので、
静脈の血液やリンパの流れを促進させることができます。

軽いストレッチやウォーキング、階段昇降運動など、
空いた時間に行うといいでしょう。

午後のむくみ予防として、
お昼休みに階段を上り下りしたり軽く散歩したりするのもオススメ。

むくみ解消だけでなくダイエットにも繋がります。

【即効性のあるむくみ解消法4】リンパマッサージ

リンパが滞ってむくみが生じている場合、
リンパマッサージをオススメします。

リンパマッサージの方法についても詳しくまとめているので、
自分でやる場合はこちらを参考にして下さい。
むくみ改善に効果的!リンパマッサージの正しい方法【足・顔】

ちなみにリンパマッサージといえばエステで施術してもらえます。

人によっては1回エステに行くだけですぐに体重が落ちる人もいるでしょう。

しかしエステには痩身効果(脂肪燃焼)は一切ないので、
ダイエット目的でいくのはオススメしません。

詳しくはこちら。

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【即効性のあるむくみ解消法5】蒸しタオルで顔を温める

蒸しタオル

顔のむくみの場合、大抵は時間が経てば重力の影響で治まりますが、
すぐに解消する方法もあります。

顔を蒸しタオルなどで温めて血行を促進する方法です。

蒸しタオルの作り方

  1. タオルを水で濡らし軽く絞る
  2. そのまま電子レンジに入れて500W or 600Wで1分温める

血行促進のために普通に入浴するのでも構いません。

むくみの根本的な改善方法

むくみの根本的な改善方法、
つまりむくみが生じないようにするために常日頃から意識すべきことについて見ていきましょう。

基本的にむくみの原因を断ちましょう。

それぞれの原因に対する対策をまとめると以下の通り。

  • 冷え対策
    • エアコン、冷房機器を多用せず冷えないようにする
  • アルコールの摂取
    • アルコールの量を抑える
    • アルコール摂取後、水分は少しずつとる
    • 翌日は水分をあまり取らず、汗をかいて水分を排出する
  • たんぱく質の不足
    • たんぱく質を十分摂取する(推奨量は体重の1000分の1以上)
    • 例)体重50Kg⇒たんぱく質50g以上
  • 塩分の摂り過ぎ
  • 筋肉の衰え
    • 運動の習慣をつける
  • 自律神経の乱れ
    • 規則正しい睡眠を取る
    • カルシウムの摂取(カルシウムは精神を安定させストレスを減らす作用有り)

ちなみに、むくみを解消するための食習慣や食べ物についてもまとめまています。

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あとがき

以上、“むくみの原因”や“むくみを取る方法”についてでした。

むくみを解消すると体内の水分量が減るため、
体重も落ちますし体の見栄えも良くなります。

しかしむくみが解消されたからといって、脂肪が減るわけではありません。

脂肪を減らすにはカロリーコントロールは不可欠なので、
その点はしっかり抑えましょう。

もしも脂肪を減らしたいのであれば、
ぜひこちらも合わせてご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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